「これって悪気のないセクハラなの?」しんどさを感じる前にやってみてほしい、たった一つの行動とは?

上司からのセクハラに困っている女性社員て案外多いと思うのですが、中小企業ではその問題が明るみになることって少ないのではないでしょうか。

かくいう私も今から約 15 年前、OL をしていた頃上司によるセクハラを受けました。しかし、会社に報告したり、法的処置を取ろうなんて微塵にも思いませんでした。

何故ならセクハラ問題は、相手側に「悪気がない」という認識があったり、「どこからどこまでが セクハラか分からない」「女性の受け取り方によって、セクハラかどうか分かれる」「上司の顔面レ ベル(イケメンかそうではないか)によって、受け取り方が違ってくる」 など定義しにくいものだと思っていたからです。

自分が「これはセクハラだ」と決めつけて申告したことにより「あいつは自意識過剰だ」と言われたり、逆恨みされる可能性もありますよね。 セクハラする側も、そこら辺を分かっているのでしょうか?それとも、オッサンというものはそう いう生き物なのでしょうか?

セクハラ問題は私個人がここで語って解決するほど容易なことではないですし、定義も悩みも受け手にとっては千差万別です。今回は、一体験談として、読んでいただければと思います。

私はセクハラしたくなるような女だった

当時 20 歳の私は、中小企業の事務員として営業課に配属されました。

現在 35 歳になりましたが、振り返って思うことは「20 歳の私はセクハラする側からすると、それはもうセクハラしたくなるような女だった」ということでしょうか。

調子に乗っているわけではありません。美人でもないし、趣味といえば読書とドラクエ。どちらかというと地味な私が所⻑という名のオッサンに執拗に言い寄られたのは「気が弱そうで、何でも言うこと聞きそう、さらに常に困っているように見える女」だと思われたからだと思います。

つまり、選ぶ側にも基準というものがあって、目を凝らせばかなりの数ありそうなセクハラ問題が、水面下の問題として消え失せているのは、公言しないような女を選んでいる場合が多いからではないのかと。

***

「帰宅してから、何らかの連絡が必要な場合があるかも知れないので、メールアドレス教えて」と所⻑に言われた時、(げっ・・・やだな。何らかの連絡ってなんだよ)と思ったものですが、そんなこと言えない私はすんなりと交換してしまいました。

思えばそれが全ての始まりだった気がします。忘れもしない、最初のメールは「今日からメル友だね(笑)」でした。笑えねーよ。

俺を頼ってくれ!俺はお前の味方だ!勘違いするオッサン

職場では所⻑という立場上、毅然と立ち振る舞っているのですが、メールでは絵文字に顔文字、謎の句読点の位置と、ツッコミどころ満載なメールを飽きもせず毎日送ってきました。35 歳にもなった今であれば、そのメールを職場の社員たちに見せ、オッサンを社会的死へ追いやるのですが。

当時は自分のせいで場の空気を乱すくらいなら、ミジンコにでもなった方がマシだと思っていましたので、誰にも言わず、かといって所⻑にも言えず、言いたいことも言えないそんな世の中でポイズンしてました。一番最初に「ヤベーきもい」と感じたのは「おやおや、寝不足かな? 夜、何をしていたのかな?」というメール。

「おやおや、寝不足かな? 夜、何をしていたのかな?」というメール。

寝不足だなんて一言も言ってないし、そんな素振りも見せてないのに、オッサンの妄想下で繰り広げられる寝不足の私は一体何をしていたのでしょうか。

仕事も半人前で、男性が多く残業の多い部署に配属された私を気にかけてくれていたのでしょうか?いや、それはないな。 「困ったことがあったら俺に言えよ。俺はいつでもお前を応援している」というくだらないメールをもらったこともありましたが、文面からは「下心」しか受け取れませんでしたから。

それでも、メールと言動だけなら私は我慢できたんです。適当に返事しとけばいいだけですから。

オッサンのセクハラが決定打になったのは私も悪いんですけど、聞いてくれますか?あ、話進めますね。

「俺の、見ただろ」所⻑イチモツ事件

私の働いていた職場は小さなビルでしたが、

1階が会議室
2階が営業課や技術課
3階が総務課

という配置でした。そして2階に女子トイレ、3階に男子トイレがありました。
そうすると何が起こるかっていうと、トイレを間違えちゃうんですよ。特に営業課と総務課は行き来する場面が多いので、自分が今いる階数を勘違いする人が続出。うっかり男性が女子トイレへ、女性が男子トイレへという事件がたまに起きていました。

私も例に漏れず、うっかり男子トイレへ。満を辞して、その重き扉を開ける瞬間というのはありました。運がいいときは誰もいないので「間違えちゃった!てへ」とうっかり者として何食わぬ顔で通せるのですが、たまに思いっきり用を足している男性と出くわすということもありました。

ちなみに 4 年勤めた会社でしたが、奇跡的にも私は 2 人と遭遇したのみでした。5 人を超えるツワモノもいましたから、私の 2 人というのは割と平均的な値かと思います。そして、私が遭遇したうちの1人が、まさかの所⻑でした。

「すみません!」とドアを閉めて2階へ慌てて降りた私を追いかけるように所⻑は近づき、「俺の、見ただろ」と、嬉しそうに聞いてきました。便器の配置上、間違いなく所⻑のチンチンを拝見しましたが、今なら「お!所⻑、マグナムっすね!」と冗談の一つや二つ交わせるかと思いますが、当時の私は「いえ、見てません。すみません」という言葉が精一杯でした。

誤って男子トイレを開けてしまった私も悪いのですが、それから所⻑のセクハラは誰が見てもセクハラだと思う言動へと豹変していきました。

セクハラとモラハラは表裏一体なのではないか

「俺に書類を渡しに来るときは、制服のボタンを3段目まで開けてこないと受け取らないぞ」「タイツじゃなくて、パンストじゃないとハンコ押さないよ(笑)」という、もはやセクハラなのかモラハラなのか分からない発言。

書類を渡す時に手を握って離さない、通り間際にぶつかるフリをしてお尻を触る、胸ポケットに入れているボールペンを「ちょっと貸して」と言い胸を触る。

そして決め台詞は「お前は俺のを見たんだからな!」でした。

お前のチンチン、どんだけのもんだよ。

匿名で会社に申告しようか、先輩に相談しようか、迷いながらも私が行動に踏み切れなかったのは「自意識過剰なんじゃない?」と言われたり、自分が行動を起こすことで何らかのしわ寄せがくるような気がしていたからです。

私のように、明らかにセクハラ言動があるにも関わらず言えない女性もまた、自分さえ静かにしていれば・・・と思っているのではないでしょうか。

今だから言えますが、静かにすればするほど、相手は調子に乗るだけです。だって相手はあなたのことを下に見ているのですから。

男女雇用均等法を完全無視、セクハラは相手を見下しているからこそ出来る行動

そんなある日、私がいつものように仕事をしていると、ガタ!ガタガタッ!と聞きなれない音が聞こえました。音の出所へ目を向けると、椅子に座りそこねた所⻑がひっくり返って尻餅をつく瞬間でした。ひっくり返った⻲のようでした。

フロア一帯が静まり返る中、近くにいた社員たちは「大丈夫ですか?」と駆け寄っていましたが、吉本新喜劇を見て育った私は、その華麗なこけ方に笑いが止まらず。しかもあの所⻑、しかも私はゲラなので、一度笑い始めるともう、バカみたいに笑う私は一人で笑い転げていました。ひどい奴ですよね。私ですけど。

その日を境に、所⻑のセクハラはピタリと止まりました。嫌われちゃったんですかね(笑)

恐らくあの瞬間、自分より下だと見下していた私に「笑われる」という行動を持って、一瞬でも自分が下に感じたのではないかと思います。

私がとった行動(相手のことを笑う)というのは、たまたま起こったアクシデントにすぎませんが、自分の方が有利になる何かを持つことって、それが一瞬のことだとしても実はセクハラに効くのではないかと密かに思っています。

「上司相手に自分が上に立つ瞬間」なんてサラッと書いてみましたが、実際は難しいでしょう。当時の私であれば、そのアドバイス自体が苦痛に感じてしまっているかもしれません。

ですが、どんな相手であれ、見下されたまま苦痛に耐えるのって辛いものです。

それまで、よく聞くセクハラの対処法を真似て、恋愛感情がないことをやんわり伝えたり、ちょっと強気に出たりもしましたが、私は効果を感じることが出来ませんでした。結局下に見られている時点で、こちらの意思は無視されていたように感じます。

「どこからがセクハラ」なのか、その線引きって曖昧ですが、自分が「嫌だな」と感じた時点でセクハラ問題に片足を突っ込んでいるようなものです。

「キ…キモっ!」が「嫌だな…」に変わり、「しんどい」に変わる過程の中で、ただ黙って耐えるのではなく、自分の中だけでも良いので、何らかの行動を起こしてみませんか?

と、今の私から昔の私にアドバイスを送れるのであれば送ってあげたいと思っています。

この記事が、昔の私と同じような悩みをもっている方にとって、ほんの少しでも勇気を出すキッカケになれば幸いです。 おしまい。

Pocket
LINEで送る

投稿者: のりこ@主婦ライター

大阪在住。3姉妹の子を持つ主婦ライター。「優しそうに見えて毒舌だよね」と言われることが多いです。「どうしよう…」「よくわかんない」「ルンバが欲しい」が口癖。好きな食べ物はパイの実と鮭おにぎり。特技は山口百恵のモノマネです!旦那は天パです!よろしくお願いします。 TWITTER